■春眠 第一話

★新人スタッフ 『さいとう たかお』の
ちょっと甘くて切ないラブストーリーを
お楽しみ下さい!

『このカーテンはどうかしら♪』
麻美は、雄一朗のほうに振り向きながら
言った

『じゃあ、それにしようか』
雄一朗は答えた

日中は春の穏やかな日差しだが
まだ朝晩は冷え込む日が続く春先に

雄一朗は、20年程暮らした場所から
引越しをする事になった

今から2年前の春だった

長年暮らした場所には、倉庫部分があったので
趣味の車の雑誌やらカタログやらガラクタの類まで

片付けるにしても気の遠くなるような作業だった

それと同時に引越し先も探さなければならない

約2ヶ月くらいの間に全てを完結させるのは
無理かと頭を抱える時期もあった

片付けは休みの日に重要なところから少しづつ
取り掛かるとして

引越し先は、どうしたものか・・・

家賃の関係もあるので、そう贅沢も言えない

理想はワンルームで部屋は狭くても
トイレとバスが別になっていて
セキュリティーの整った

更に言えば、カーポートレベルの車庫が欲しい

漠然と賃貸物件をネットで検索しながら
築20年のアパートで家賃は5万円程度のところに
落ち着くかと思っていた

【つづく】
※ストーリーに登場する人物等は全てフィクションです