■ジングルベル 第二話

★新人スタッフ『さいとう たかお』がお届けする
ちょっと甘くて切ないラブストーリーを
お楽しみ下さい!

あの曲
『First love』のメロディーが流れると

千夏が雄一朗に向って微笑んでいる
その光景が瞼に焼き付いている

千夏は、雄一朗の全てを受け入れてくれた

スレンダーではなかったが
背が高く、派手な洋服を好んだので
芸能関係者のようなオーラを漂わせていた

ある日
『私のプレゼントしたネクタイしてくれないのね』
千夏は不機嫌そうな顔をして
雄一朗の顔を覗き込みながらそう言った

「いや・・・そんな事はないよ」
とは答えてみたものの

焦りの表情までは隠せなかった

確かバレンタインの時に、千夏は
雄一朗にネクタイをプレゼントしてくれた

嬉しかったが
その後はあまり気にも留めずにいた
自分が悔やまれた

それ以来、千夏に会う時には必ず
プレゼントしてくれたネクタイを
するようにした

千夏といる時間は、本当に楽しいものだった

ずっとこのまま一緒に過ごせれたら
どんなに良いか・・・

雄一朗は
そんなふうに思っていた

【つづく】
※ストーリーに登場する人物等は全てフィクションです