
★新人スタッフ『さいとう たかお』がお届けする
ちょっと甘くて切ないラブストーリーを
お楽しみ下さい!
『追えば逃げる』
レイコはそんな女だった
しかし・・・追わずにはいられない
彼女はそんな魔性の魅力を持っていた
雄一朗の五感を駆使しても彼女の真意を
なかなか掴む事が出来ない
「ふーっ」
苛立つ雄一朗は溜息をついた
そう言えば
以前、彼女に理想の彼氏像を聞いてみた事があった
レイコは
「犬が好きで、愛犬と一緒に散歩に行ってくれて
優しい人が良いな♪」
白馬に乗った王子様が現れるとでも思っているのだろうか?
数日後、レイコにGWの予定を尋ねるLINEを送ると
神戸に泊まりで旅行に行くの
と楽しそうな文字が並んだ
えっ、誰と?
聞きたかったが・・・聞けなかった
怒ると口を尖らせてプイっと無口になる彼女だが
そんな可愛いとこもある
彼女がまだ自分の車を持っていない頃、ペットショップや
買い物に良く行ってたのを思い出した
もしかして、チャンスを逃してしまったか
まあこのままの関係でも良いか
レイコとの再会は、また数年後だな・・・
梅雨時期を思わせるどんよりと曇った空を見上げ
雄一朗はそう呟いた
【完】
※ストーリーに登場する人物等は全てフィクションです
☆次回予告編:「最後の夏」3部作にて執筆中