■暑い夏 最終回

★新人スタッフ『さいとう たかお』がお届けする
ちょっと甘くて切ないラブストーリーを
お楽しみ下さい!

『じゃあね♪』
弘美はJR三宮の改札の手前で
雄一朗にそう声をかけた

雄一朗は、階段を上がって行く弘美の姿が
見えなくなるまで眼で追った

食事のあとも珈琲を飲みながら
話は弾んだ

雄一朗にとって楽しいひと時であった

が、しかし・・・
弘美とならと考えていたのだが

どうも弘美は自分には異性として
興味が無い事がわかった

雄一朗の気持ちだけが先走りして
ついつい自分に都合の良いほうに考えていたのだ

『ちょっと頭を冷やさないとな』

真夏の太陽が雄一朗に悪戯をしたのだろうか

宿泊先のホテルに向う途中で
仲の良さそうなカップルを見て

早く自分にも見合ったパートナーが
欲しいものだ

雄一朗はそう呟いた

翌朝、新神戸の新幹線ホームから
ふと空を見上げると

照りつける太陽が
自分に向って微笑んでいるように見えた

【完】

☆次回作:未定