★新人スタッフ『さいとう たかお』がお届けする
ちょっと甘くて切ないラブストーリーを
お楽しみ下さい!
僕達は、何処に向おうとしているのか
唯と雄一朗は、終着駅の見えない列車に乗ってしまった
好きの反対は嫌い
愛するの反対は憎しみとなる
その日がもしかしてくるのではないか・・・
雄一朗は、思わずハッとする時がある
唯は小柄で可愛かった
大学生からだんだんと大人の女になっていく過程を
見届けられた
それで充分だったのかもしれない
会う度に大人っぽくなる唯
食事や買い物や旅行
唯と過ごす時間はとても楽しく
雄一朗の心の隙間を埋めてくれた
そんな唯と雄一朗だが
実は数ヶ月会ってなかった時期がある
久し振りに唯から連絡があった
彼女はいつの間にか隣町へ引越しをしていた
どうも家庭の事情だったらしく詳しくは聞かなかった
この老いぼれでも頼りにしてくれるのか
雄一朗は嬉しかった
毎年のようにクリスマス前には
唯のお気に入りのケーキを注文し
ジングルベルを聞きながら一緒に食べた
唯はホワイトクリームにイチゴが沢山のったケーキが
好みだった
そんな当たり前のような唯との蜜月が続いていた
【つづく】
※ストーリーに登場する人物等は全てフィクションです