■春眠 第三話

★新人スタッフ 『さいとう たかお』の
ちょっと甘くて切ないラブストーリーを
お楽しみ下さい!

『こちらのベッドにマットレスは
いかがでしょうか?』

引越し先の近くにある
ホームセンターの家具売り場で

若い男性店員は、雄一朗に声をかけた

最初、この若い男性店員は
雄一朗と麻美の顔を怪訝そうな表情で
見ていた

それもそのはず
カップルというには年齢差があり

平日の昼間に、新婚さんのような
家具選びをしていたのだから無理もない

麻美は、元美容部員だけあって
容姿端麗

目元は、気の強さを表していた

雄一朗が麻美と家具選びをしていると

3人ほどの若い職人さん達が
麻美に熱い視線を投げかけているのを

雄一朗は眺めていた

ホームセンター1階では
日用品や掃除道具など
麻美チョイスで揃えてもらった

新築物件で
やや家賃は高めだが

ほぼ雄一朗の理想とする引越し先に
麻美と一緒にいた

恋愛対象として
一緒にいるわけではなく

単なる引越しなのだが

ワンルームの部屋に麻美といると

雄一朗はなんだか
ちょっと緊張していた

【つづく】
※ストーリーに登場する人物等は全てフィクションです