■恋の行方 第一話

★新人スタッフ『さいとう たかお』がお届けする
ちょっと甘くて切ないラブストーリーを
お楽しみ下さい!

『あっ、ごめんなさい♪』
マリは、咄嗟にそう言った

雄一朗は、マリのほうを見たが
何も言葉はかけなかった

食事の帰り道に二人で歩いていると
マリの右手が雄一朗の左手に当たった

それだけ、近くに寄り添っていたので
思い切って手を繋げば良かった・・・

残暑とは言え
日本列島を茹だるような「猛暑」が襲う
とある休日

ブラインドの隙間から射す夏の光を
感じると、雄一朗はベッドから起き上がり
コップ一杯の水を一気に飲み干した

「く~っ・・・暑いな」

お盆が過ぎたとは言え
ここ連日の猛暑に雄一朗もいささか参っていた

何か楽しい事でもあれば良いのにな
そう、気楽に考えていた

そんな時、仲間との宴会の際に、馴染みの飲食店で
気になる女性を発見したのだ

雄一朗には、それが一筋の光のように感じられた

トライリンガルの彼女が発する英語の発音に
ハートを打ち抜かれてしまった

ジリジリと容赦なく照付ける太陽と同じくらい
眩しいマリに視界を奪われてしまったのだ

【つづく】
※ストーリーに登場する人物等は全てフィクションです