■暑い夏 第二話

★新人スタッフ『さいとう たかお』がお届けする
ちょっと甘くて切ないラブストーリーを
お楽しみ下さい!

学生時代は、緩い時間を共有して過ごしたので
お互いに気心が知れている

合宿と称して年に数回、サークル仲間で旅行にも行った
夏の避暑地、軽井沢のペンションに泊まって
昼間はテニスで汗を流すと言う当時の流行も
経験した

当時、雄一朗は弘美に特別な好意を持っていたわけ
ではなくサークルの仲間、普通の女友達と言う
間柄だった

この20数年という歳月が
彼女を変えてしまったのだろうか?

居酒屋では、集まったそれぞれの近況を報告し合い
次のカラオケでも当時流行った歌で盛り上がった

弘美は、つい最近離婚をして、子供も独り立ちした
ようだった

蝉の群れが短い夏を惜しむかのように
けたたましい音を発していた昼下がり

お気に入りのアイスコーヒーを片手に
雄一朗は
窓から見える青空をぼんやりと眺めていた

弘美に会いたい

とは言っても、お互いの仕事や
岡山と神戸ではちょっと距離がある
仕事の予定を確認し
先ずは、神戸の宿泊先を押えた

弘美にLINEを入れると
『予定を確認してまた連絡するわ♪』
と返信があった

雄一朗は、何度か行った事のある
三宮の夜景の見えるカップルシートのある
飲食店を予約した

【つづく】
※ストーリーに登場する人物等は全てフィクションです