■秋空 第二話

★新人スタッフ『さいとう たかお』がお届けする
ちょっと甘くて切ないラブストーリーを
お楽しみ下さい!

陽子とは、数ヶ月前に知り合い
何度かランチに行く間柄になった

年齢は、三十路手前とある種の適齢期ゾーンだ

相手への条件がかなり厳しいのか
世間知らずなのか・・・

甚だ不明だが
その部分には触れなかった

ソフトトップをクローズしようとすると
彼女は、そのまま風を感じていたかったようだ
※ソフトトップ:オープンカーの屋根の幌部分

彼女の気持ちの中で、何か吹っ切りたかったのか
吹っ切れたのか?

陽子の気持ちの中に何かわだかまりがあったのは
事実だろう

雄一朗は
「海を見てどうだった?」
陽子に聞いた

「海まで来ると、ここから先には船でないと
行けないから気持ちが落ち着くの♪」
陽子はそう答えた

船でないと進むことが出来ない
自分で行く事の出来る最終地点

つまり海まで来れば、もうここから先には
進めないと言う諦めの気持ちだろうか

ある意味、海は終着駅という事か・・・

彼女を送り届けるまで
もう少し彼女と話をしてみよう

雄一朗は、そう思った

【つづく】
※ストーリーに登場する人物等は全てフィクションです