■同窓会 第一話

★新人スタッフ 『さいとう たかお』の
ちょっと甘くて切ないラブストーリーを
お楽しみ下さい!
行間に込められた作者の気持ちを感じ取って
下されば幸いです♪

「じゃあ、またね♪」
M子は、軽く微笑みながら雄一朗に向って
手を振った

春一番の知らせを聞くと毎年のように思い出す

M子は、地元で専門学校に通う事に
雄一朗は、一年後の進学を目指し県外の予備校に
通う事になっていた

彼女とデートが出来るのも1ヶ月と言う本当に
短い期間であった

そう、雄一朗がM子と急速に親しくなったのは
高校卒業前の自動車教習所での出会いであった

高校時代には、同じクラスにもなったことが無く
雄一朗は、同じ高校にM子がいるのを知っていたくらい
確かM子は同級生と付き合っていたはず・・・

教習所で何度か顔を会わせるうちに
少しずつ話をするようになった
雄一朗は、自然と彼女に惹かれていった
M子が可愛くてしかたない
これが「恋」と言うものか・・・

もう時間がない
雄一朗は、思い切ってM子をデートに誘うと
「えっ、誘ってくれるの?」
M子は嬉しそうに答えた

結論から言うと、何度かデートをしたものの
告白は出来ずじまいであった

4月になり別々の環境になった後も、彼女の事が
忘れられず、公衆電話から10円玉を握り締めて
電話をしてみたが、彼女の気持ちは雄一朗から
遠く放れているように感じた

それから、あっと言う間に20数年の歳月が経った

【つづく】
※ストーリーに登場する人物等は全てフィクションです